乳がん検診
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乳がんは早期発見・早期治療でほとんど治ります
現在、16人に1人が乳がんに罹患すると言われています。 日本では年間5万人を超える女性が新たに乳がんと診断され、そのうち1万人が死亡しています。 多くのがんは年齢とともに発生率が増えていくのに、乳がんは20歳代でも発生し、40歳代後半をピークに徐々に減っていくという特徴があります。 日本は欧米(80%)と比べても検診受診率が20%とかなり低いのが現状で、特に乳がん検診はその受診率の低さと比例するように罹患率,死亡率の年次推移は一貫して増加傾向にあり、女性が最も注意すべきがんと言えるでしょう。 乳がんの死亡数は肺がん,胃がん,結腸がん,膵臓がんに続き第5位です。これは,乳がんが他の臓器のがんに比べて治りやすいことを示しています。ですから、検診の受診がとても重要なのです。検診を受けることにより“早期発見・早期治療”に繋がります。 乳がんが直径1cmほどの大きさになるには、およそ5~8年かかります。しこりの大きさが2cm以下で他への転移がないものを早期がんとしています。この段階で発見し、適切な治療を行えばほとんどは治すことができるのです。がんは症状が出てからでは遅いのです。年に一度は検診を受けることをお勧めします。乳がんの診断は,触診,画像診断(マンモグラフィ,超音波検査),病理検査(細胞診検査,組織診断)があります。マンモグラフィと乳腺エコー(超音波)検査で確実に発見
マンモグラフィは、引っ張られて挟まれて“痛い”とイメージする方が多いと思いますが、圧迫はとても大切です。 圧迫には大きなメリットがあります。乳房を1cm薄くするごとに、体に受ける放射線の量が1/2に減ります。薄くするほど小さな病変もよりわかりやすい画像になります。 また、固定することで被検者の動きをなくし、画像のぼけを防ぐことができます。マンモグラフィでは、小さな腫瘤や癌、石灰化などを見ます。これらは白く写ってきます。ですから、場合によっては白く写る乳腺と腫瘤や癌が重なって判定できないことがあります。 そのため、超音波による検査も導入されました。超音波は、5mm前後の腫瘤を作るものを見つけることができます。 一方腫瘤を作らない、癌を示唆する小さな石灰化などは見えにくいというように、マンモグラフィと超音波にはそれぞれ長所と短所があります。
毎年どちらか片方だけの検査を受けるのではなくマンモグラフィで見えてエコーで見えないもの、反対にエコーで見えてマンモグラフィで見えないものがあるので、両方受けていただくことでそれぞれの短所をおぎない、乳がんの発見をより確実なものとします。
2012年度の当院での乳がん検診結果は、検診受診者368人のうち要精検者33人、乳がん6名でした。 検診だけで終わらず、“要精査” になった場合には大事なサインと捉え、精密検査を受診し、速やかな治療につなげることが大切です。